本来、健康な歯は「エナメル質」が「象牙質」と「歯髄」を覆う構造になっています。このエナメル質、象牙質、そして歯髄を細菌がう蝕することで虫歯が発症します。虫歯が進行するにつれて治療時の痛みが強くなり、治療に長い時間を要します。
また、歯髄などまでう蝕されてしまうと、抜歯や神経の治療をしなくてはなりません。
虫歯治療には一定のボーダーラインが存在します。それが「神経」です。
このボーダーラインを越えてしまった歯、つまり、神経を細菌に侵されてしまった歯は完全に治療することができません。つまり、虫歯治療はそのボーダーラインを越える前に行わなければなりません。
しかし、日常的に痛みが出るようになり、歯医者に駆け込んだ時には、すでに神経が侵されている事が多いのが現状です。このような事態を防ぐには早期発見と早期予防がとても大切です。
虫歯の主な原因とされているのがプラークと呼ばれる歯垢です。プラークは、ただの食べカスではなく細菌の塊です。この細菌は結合し「バイオフィルム」という細菌の集合体になります。このバイオフィルムが発生する「酸」や「毒素」が虫歯になる主な原因です。このバイオフィルムは日々の歯磨きでは十分に取り除くことができません。「ちゃんと歯磨きをしたのに虫歯になった」という方も少なくないでしょう。
- エナメル質がう蝕された状態。
痛み、しみる、などの症状はなく、治療は比較的簡単で、治療期間も短時間で済みます。
- 象牙質までう蝕された状態。
痛み、しみる、などの症状が出ます。治療には麻酔を使用することが多く、治療には2~3回の通院が必要です。
- 細菌のう蝕が歯髄に達する状態。
普段から痛みが続き、神経の処置が必要になる場合が多くなります。治療期間は長くなります。
- 歯へのう蝕が進み、歯根だけになってしまう状態。
広範囲の治療が必要となり、場合によっては抜歯をしなくてはなりません。
虫歯を放置することによって歯の骨髄、つまり神経が細菌に侵されてしまった場合、神経を取りに属治療を行わなければなりません。しかし、歯の根は細い管が幾多に張り巡らされた迷路のような場所で、肉眼で確認することが難しく、顕微鏡などを使用してもすべてを把握することは現代医学では不可能です。
加藤歯科医院では神経の治療が必要な場合、慎重にかつ丁寧に治療を行いますが、神経の治療が必要になる前に虫歯の進行を止める事が大切だと考えています。
痛くなってからの治療ではなく、定期的に予防や経過観察にお越し下さい。